現役のハウスメーカー営業を16年続けているぽりんきです。
この記事をご覧の方は、
「1月1日に完成していない方が固定資産税は安いだろうか」
「土地だけの固定資産税は高いって聞くからどうなんだろう」
「固定資産税が安くなる方法を知りたい」
とお悩みのことでしょう。
今回は、お悩みのあなたにもわかるよう解説しました。
まずは、結論からお伝えします。
タイトルにもあるようにお得なのは【年内完成】です。
理由は建物+土地の方が減税メリットが大きいからです。
固定資産税の仕組みは非常にわかりづらいです。なかなか、一般の人が理解するのは難しいでしょう。
でも、この記事を読めば新築する家は、【年内完成】を目指そうと理解できます。
順番にその理由を確認していきましょう。
年またぎと年内完成の違いって⁉︎そもそも住宅完成の定義とは
年またぎ完成:1月1日以降の建物完成
年内完成:12月31日までの建物完成
そもそも、完成とは誰がどのように判断されるのでしょうか?
工事の完成と税法上の完成の違い
ここで言う住宅の完成とは、
家の工事が完成したかどうか?ではありません。
住宅完成は、あくまで「税法上完成しているかどうか?」が重要になります。税法上の完成とは、登記(全部事項証明書)の右下にある新築の時期で判断されます。
この新築の時期は、本来の完成よりも早い日にちになるのが実情です。
では、税法上の完成である【登記】はどのタイミングでされているのでしょうか?
登記(とうき)をするための条件
登記のタイミングは、
- 足場が外れた
- 室内のクロス(壁紙)が貼られた
- トイレや洗面台の住宅設備が設置された
3つが揃うタイミングで登記申請をスタートさせます。
しかし、クロス(壁紙)や住宅設備を設置するのに2〜3週間程度を要すため、実際の完成時期はもっと遅くなります。
慌てて、登記申請をしまう理由は、登記が終わっていないと住宅ローンが借りられないからです。
完全に住宅が完成してから登記申請をしていると2週間程度待たなければなりません。それでは完成した住宅を数週間放置することになるので早めに申請をする仕組みになっています。
実際の完成よりも登記上の完成は早いタイミングになります。
年またぎよりも年内完成がお得な3つのポイント
それでは、新築の固定資産税が、「年またぎより」も「年内完成の方がお得」な3つのポイントを解説していきます。
土地の固定資産税が減税される
住宅が建っているかどうかで土地の固定資産税は変わってきます。
住宅が建っていると特例措置として土地は減税が受けられます。
土地の面積によりますが、200m2(約60坪)までなら1/6。
仮に、年間12万円を支払っているのであれば、固定資産税が2万円になるので大きな減税ですね。
200m2(約60坪)を超えている土地でも、超えた分が1/3。
年内に住宅の登記が完了すればこの減税が受けられます。(入居まで必要ありません)
土地の固定資産税だけでなく、都市計画税も1/3になるのは大きなメリットです。
建物の固定資産税は大したことない
次に、住宅を建てた時の固定資産税はおおよそいくらかかるのでしょうか。
実は建物の固定資産税は思ったよりも高額ではありません。
仮に、木造住宅であれば延べ床面積36坪程度の建物の評価額は800万円程度です。
800万円の建物の固定資産税は、
800万円×1.4%=112,000円/年間
新築住宅はここからさらに減税があります。
要約すると、新築住宅は120m2(約36坪)までが1/2になります。
その期間は、
- 一般的な新築住宅は3年間
- 準耐火建築物または長期優良住宅は5年間
- 準耐火建築物かつ長期優良住宅は7年間
800万円×1.4%=112,000円/年間から半額になると56,000円/年間になります。
住宅の固定資産税は56,000円/年間かかるので支払う金額が増えます。しかし、住宅が建つことによる土地の減税(マイナス10万円)の方が大きいわけですね。
住宅ローン控除の金額が増える
住宅ローン減税は、建物完成だけではなく、入居まで完了する必要があります。
入居とは実際の引っ越しではなく、住民票移動のこと
年末の住宅ローン残高に応じて所得税と住民税からの減税が受けられる制度です。
住宅ローン控除は年末のローン残高に対して減税が受けられるので、年内ギリギリで入居すれば控除が多く受けられます。
反対に、年またぎの1月に入居した場合は、控除が対象の住宅ローン残高は12ヶ月後の年末になってしまいます。
やはり、年内ギリギリに入居する方がお得です。
固定資産税を金額比較3パターン
新築の固定資産税は、年またぎよりも年内完成の方がお得というのはわかりましたよね。
では次に、実際に金額がどの程度変わってくるのか比較をしてみましょう。
条件を以下のように統一します。
面積m2(坪) | 評価額 | |
土地 | 165m2 (約50坪) | 1,500万円 |
建物 | 120m2 (約36坪) | 800万円 |
土地だけの固定資産税
土地だけの固定資産税を計算してみましょう。
1500万円×1.4%=210,000円/年間
年間21万円の固定資産税です。
面積m2(坪) | 評価額 | 税率 | 支払う固定資産税 | |
土地の固定資産税 | 165m2(約50坪) | 1,500万円 | 1.4% | 21万円(年間) |
建物だけの固定資産税
続いて建物だけの固定資産税を計算してみます。
800万円×1.4%=112,000円/年間
年間11.2万円の固定資産税です。
面積m2(坪) | 評価額 | 税率 | 固定資産税 | |
建物の固定資産税 | 120m2(約36坪) | 800万円 | 1.4% | 11.2万円(年間) |
土地+建物の固定資産税(年内完成)
それでは、土地と建物の固定資産税と減税を入れた場合はどのようになるのでしょうか。
面積m2(坪) | 評価額 | 税率 | 減税 | 減税後の固定資産税 | ||
土地 | 165m2(約50坪) | 1,500万円 | 1.4% | 1/6 | 3.5万円(年間) | |
建物 | 120m2(約36坪) | 800万円 | 1.4% | 1/2 | 5.6万円(年間) | |
合計 | 9.1万円(年間) |
それでは、比較をしてみましょう。
土地だけ:21万円。
土地+建物:9.1万円。
つまり、土地と建物の固定資産税を支払った方が11.9万円(年間)もお得になります。
例外アリ:年またぎ完成の方がお得になる2つのパターン
この記事ではずっと、
「新築の固定資産税は年内完成の方がお得!」と話してきましたが、実は、年またぎ完成の方がお得になるパターンもあります。
土地の固定資産税が安い
そもそも、土地の固定資産税が安い場合は、建物を建てても減税メリットが薄まります。
安い土地は以下のような土地のこと。
- 市街化調整区域内の土地
- 地目が畑・田・山林などの土地
- 地方で納税額が安い土地
このような土地は減税がほとんどないため、建物の固定資産税がそのまま上乗せになります。
土地の固定資産税が安い場合は、住宅ローン控除のメリットがどれだけあるか?が年内完成すべきかどうかのポイントになります。
建て替え特例がある
年またぎ完成の方がお得になるもうひとつの例外は建て替えの場合。
建て替えの場合は、もともと家が建っていたからすでに減税メリットを受けているから、
つまり、年内に新しい建物を建ててしまうと新築の固定資産税がかかるようになってしまうのです。
建て替えの場合は、滅失登記をするまでは以前の建物の税金を徴収される。
年内のうちは古い建物が残っていた形にした方がお得です。
まとめ:新築の固定資産税は年またぎよりも年内完成がお得になるポイント
新築の固定資産税は1月1日の時点で、建物が登記されているかどうかで、建物の固定資産税を払うかどうかが変わってきます。
年またぎよりも年内完成の方がお得になる3つのポイントは、住宅を建てることで、
土地の固定資産税が減税される
建物の固定資産税は大したことない
住宅ローン控除の金額増える
でした。
しかし、例外もあり、
土地の固定資産税が安い場合
建て替えの場合
年またぎ完成の方がお得になる場合もありました。
ほとんどの場合は、市街地に建築するのであれば、住宅は年またぎ完成よりも、年内完成させて土地と建物の固定資産税を支払う方がお得です。
さらに、年内入居までできれば、住宅ローン減税の額が増えるメリットもありました。
新居ではクリスマスパーティーや年越しもできますので、ご家族との思い出作りも含めて年内入居を目指すのがおすすめです。