かれこれ現役で15年ハウスメーカーの営業しているぽりんきです!
この記事を読んでいる人は、
「全館空調と床暖房って両方やるべき?」
「どっちが良いか迷う」
「冷え性だから新築で寒い思いはしたくない」
と気になっているでしょう。
記事を読んでもらえれば、
「寒い冬に備えて、全館空調と床暖房のどちらを選べば良いか?」
わかります。
なぜなら私自身が現役のハウスメーカーの営業として
- 全館空調の家
- 床暖房の家
- 両方搭載した家
を体感してきたからです。
この記事では、全館空調と床暖房の両方のメリットデメリットもご紹介していきます。
記事を読み終えると、新築するなら、
「うちは全館空調がいいな」
「床暖房で十分かな」
「両方とも必要かも!」
がわかります。
全館空調と床暖房はどちらかを選べば大丈夫
全館空調と床暖房を併用する必要はあるのでしょうか?
理由は初期費用とランニングコストがかかりすぎるからです。
もちろん、全館空調と床暖房を併用できれば快適な暮らしになります。
でも、流石に過剰スペックで生活が苦しくなります。
順番にメリットデメリットを確認しましょう。
全館空調のメリット5選
全館空調のメリットはどんなものがあるでしょうか。
全館空調のメリットその1:温度が均一になる快適さ
家中どこに行っても温度が均一なのは最高に快適です。
空調と言っても常に、『ガー』『ゴー』などとエアコンのように機械が動いている音はほとんどありませんし、風も感じません。
冬場はトイレやお風呂での着替えに寒いから嫌なイメージをもちますよね?
全館空調のメリットその2:ヒートショックのリスクが減る
家の中で一番事故が多いのがヒートショックです。
ヒートショック・・・急激な温度差で血圧が変動し、心筋梗塞などになること
みなさんも聞いたことがあるでしょう。
冬にお風呂に入ろうとしたらご高齢の方が亡くなったりすることがあります。
原因がヒートショックです。
暖かいリビングから移動し、寒い脱衣所で服を脱ぎ、熱いお湯に入ると心臓に負荷がかかります。
自宅のヒートショックによる死亡例は、交通死亡事故の5倍と言われています。
全館空調のメリットその3:外観内観ともにデザイン性が上がる
全館空調を搭載すれば室内にエアコンを設置する必要がありません。
エアコンが無いということは、
【室外機も個別エアコンの分は必要なくなります。】
ドレン配管なども見えてこないので、室外機はわずか1つだけ。
内装、外装ともにデザイン性がアップします。
全館空調のメリットその4:家族へのイライラストレスが減る
全館空調を搭載すれば、ご家族へのイライラストレスから解放されます。
朝、目が覚めても外だと布団から出れずについつい、二度寝して時間がなくなってしまった経験は誰にでもあるでしょう。
家族や子供にイライラしてしまったことはありますよね?
全館空調のメリットその5:帰ってきたときの満足度アップ
外が寒い日、暑い日に家に入るとものすごく快適です。
まさにこの瞬間が『全館空調入れてよかった!』と思える満足な瞬間でしょう。
玄関に入った瞬間に全館空調により、快適な温度設定になっているので、非常に嬉しいです。
これは、友達や親族に遊びにきてもらった時に、一番自慢できる部分でもあります。
全館空調のデメリット5選
それでは、反対にデメリットはどんなデメリットがあるのでしょうか。
全館空調のデメリットその1:価格が高い
当然ですが、一番のデメリットはこの金額です。
全館空調を取り扱っているハウスメーカーは数社しかありません。
平均すると約200万円(税抜)必要です。
高いか安いかはおいておいて、200万円のお金があれば建物面積を広げたりできます。
豪華なオプションをつけたりできますので、空調に200万円の価値を見出せるかどうか?が悩みどころです。
全館空調のデメリットその2:故障すると大変
機械ですからいつかは壊れます。
この壊れた時が大変です。
基本的には、この機械1台で家中の全ての快適空間を作り上げているわけですから、壊れたタイミングが真夏や真冬だったら大変です。
しかも、大型機械ですから、修理も業者を呼ばないといけません。
数日で直れば良いほうでしょう。
将来くる故障のときのために備えが必要です。
全館空調のデメリットその3:結局はエアコンが必要
普段はエアコンはいりません。
しかし、将来故障したときのことを考えれば冷暖房機器はあったほうがいいです。
もしものときに、備えておく冷暖房機器は、全館空調が故障してから直るまでの期間を補うものです。
簡易的なストーブや扇風機だけでは全館空調の代わりにはなりません。
結局エアコンを用意する方が多いようです。
全館空調のデメリットその4:カビが生えるかもしれない
最近のエアコンはカビを抑制する機能がついている機種が多いです。
夏場に運転するデメリットとして、冷房時にどうしてもカビのリスクが発生します。
機械本体から吹き出し口までのダクト距離が長いので、送風運転を継続するなどダクト内を乾燥させるような工夫が必要です。
夏から秋への切り替わりで全館空調を停止するときは、送風運転をする必要性があるので意識しましょう。
全館空調のデメリットその5:乾燥が心配
冬場に運転するデメリットとして、暖房時に室内の乾燥が心配です。
エアコン=空気が乾燥するというイメージを持っている人は多いでしょう。
当然、全館空調は24時間運転しっぱなしになるので、空気は乾燥しやすくなります。
特に、冬は空気が乾燥しやすいので、湿度計を設置して、加湿器やお湯を沸かしたり、室内の湿度に目を配っておく必要があります。
床暖房のメリット5選
それでは次に床暖房のメリットとデメリットについてみていきましょう!
床暖房は電気式と温水式の2種類がありますが、今回はあくまでメリットとデメリットのみを解説していきます。
床暖房メリットその1:足元から暖かい
当たり前のことですが、これですね。
足元から暖かいのは温風を体に当てるのとは全く違います。
私も実は冷え性がひどく、床が冷たいと足が霜焼けになることもあります。
だから冬はスリッパを履くことが多いです。
このストレスから軽減されるのは非常に大きいです。
床暖房メリットその2:全館空調よりは初期費用が安い
全館空調と比較すると初期費用は圧倒的に安いです。
各ハウスメーカーによって床暖房の搭載費用はそれぞれだと思います。
私が勤めているハウスメーカーでの費用は、
【電気式床暖房】
6畳約15万円
12畳約25万円
【ガス温水床暖房】
20畳約50万円
温水式は温水マットを敷くので床の調整費用も必要になります。
電気式と比べるとどうしても1.5〜2倍くらいの価格になります。
床暖房メリットその3:乾燥しない
輻射熱で部屋を温めるのでエアコンと違い乾燥しません。
乾燥肌が気になる方はエアコンの風が気になるでしょう。
床暖房を設置すれば空気が乾燥しないのは冬場の大きなメリットになります。
床暖房メリットその4:吹き抜けのある家に効果抜群
暖かい空気はどうしても上昇します。
吹き抜けのある家でエアコンを動かしてもまずは、吹き抜けの天井面から暖められていきます。
それに対して、床暖房の場合はどうでしょうか。
もちろん設置面が一番温度が高いです。
そして、さらに地上6メートルくらいまでは均一温度で温めてくれます。
温風というわけではなく、輻射熱なので、空気全体が温まるのは体感でわかるレベルです。
吹き抜けのある家では空間を温めるのに、時間がかかってしまいます。
そういう家をお考えであれば床暖房を設置するのはかなりオススメです。
床暖房メリットその5:やけどしない
ストーブやこたつ、電気カーペットを使用するとやけどが心配ですが床暖房だったらそこまで心配いりません。
やけどもそうですが、火事になるリスクも低減できます。
ご高齢者や赤ちゃんがいる家庭では安心です。
床暖房のデメリット5選
それでは、床暖房のデメリットにはどんなことがあるのでしょう。
解説していきます!
床暖房のデメリットその1:暖かくなるまでに時間がかかる
なんと言っても大きなデメリットがこれですね。
スイッチを入れてから30分から1時間程度暖まるのに時間がかかります。
例えば、寒い外から帰ってきても、床暖房しかない場合は、
寒い部屋で温まるのをひたすら待つことになります。
タイマーはあるので朝の時間はなんとかなりますが、帰宅時が一番困ります。
帰宅時はどうしてもエアコンをつけることになるでしょう。
床暖房のデメリットその2:廊下は寒い
全館床暖房でもない限りは廊下に床暖房は設置しません。
スリッパを履かない生活に憧れますが、床暖房を設置していない部屋に行くにはスリッパが必要になります。
トイレや洗面所に行くときは寒いのが嫌ですね。
床暖房のデメリットその3:敷設面積が狭いとエアコンも必要
敷設面積8割を敷き詰めれば床暖房だけで温めることができると言われます。
つまり、エアコンをつけなくて良くなります。
でも、LDKのうちリビングの足元だけに敷設した場合は、エアコンの暖房を付けなければいけなくなります。
床暖房の効果を最大限発揮するためにも、どうせ設置するならLDKの全面に敷設するようにしましょう。
床暖房のデメリットその4:電気式はランニングコスト高い
床暖房のランニングコストは高いです。
特に電気式はLDKで一日8時間動かすと200円程度のランニングコストがかかると言われています。
床暖房だけで200円ですから、真冬に一ヶ月間動かし続けるだけで6000円かかります。
快適にはなりますが家計を圧迫しますね。
床暖房のデメリットその5:いつか使わなくなる
想定できる最大のデメリットですね。
床暖房は新築時は喜んでみなさん使います。
しかし、あるデータによると築10年もすると3割の方が使わなくなるようです。
理由は、
- ランニングコストが高い
- 暖まるまでに時間がかかる
ここが大きいですが、だんだん使わなくなることがもったいないですね。
全館空調と床暖房を両方入れた方が良い場合
ここまで全館空調と床暖房のそれぞれのメリットデメリットについて解説していきました。
それでも、
「快適な冬の環境にしたい!」という人もいるでしょう。
そんな人は両方入れたらいいんです。
とにかく寒がりの人
結局は自己満足です。
24時間暖かい全館空調の家に帰ってリビングでくつろぐときに床暖房をつけることでより快適に過ごせる空間になるのは間違いないからです。
冬の寒さ対策で絶対に失敗したくない!と思っている人は両方入れてしまいましょう。
全館空調のシステムが床から温風が出ない会社の場合
これに関してはプロの私からお伝えします。
全館空調からの温風が床から出る会社とそうでない会社があります。
積水ハウス
トヨタホーム
アキュラホーム
反対に、
パナソニックホームズ
つまり、大手ハウスメーカーの住友林業やパナソニックホームズで全館空調の家を建てる場合は床から温風は出てきません。
天井面からの温風のみなので足元が暖かくはなりません。
この2社をお考えでしたら、床暖房は設置した方が良いでしょう。
全館空調と床暖房を併用するべきかどうか?まとめ
今回は、全館空調と床暖房について解説しました。
全館空調と床暖房は併用する必要はありません。
併用を検討するのは、
とっても寒がりの方で何よりも快適性を優先したい人
住友林業、パナソニックホームズで全館空調をお考えの人
こちらに当てはまる方は床暖房の併用設置も検討してみましょう。