住宅業界16年目間取りデザイナーのぽりんきです!
今回は、【タマホームの60年保証の内容と延長するための注意点】について解説します。
これを読んでいるかたは、
「60年って長いけど、カラクリがあるんじゃないの?」
「家のどの部分が保証されるの?」
「期間が長いのはわかるけど、どんなことに注意したらいいの?」
と思っているでしょう。
記事の執筆者
タマホームは急成長しているハウスメーカーの一社です。
2019年度は全国4位まで急成長しました。
それでは、さっそく保証について確認していきましょう。
タマホームの60年保証の内容
こちらの図のように、最長60年保証になっています。
最長というのは【あくまで延長した結果60年になる】ということですね。
延長保証できるのは構造、防水、シロアリのみ
建物の中身全てが60年保証というわけではありません。
延長していけるのは【構造、防水、シロアリ】のみです。
家の性能に大きく関わる部分ですね。
初期保証は10年間
初期保証は10年間です。
その後、有償工事(お客様が払う工事)が必要になります。
- 10年(有償工事)
- 20年(有償工事)
- 30年(有償工事)
- 40年(有償工事)
- 50年(有償工事)
- 60年まで
10年に1回。
タマホームに必要だと認められた部分にお金を払って修理することで、延長していけるようになっています。
点検費用は無料だが、工事は有償(お客様負担)
保証が継続されていれば点検費用は無料です。
- 点検を受ける(無料)
- 修理箇所が見つかる
- 見積書が提示される
- 契約して工事する(支払い)
- 保証が延長される
という流れです。
つまり、タマホームの言いなりになるしかありません。
タマホームが「ここは工事が必要ですね。」と言ったものは全て修理しなければいけないのです。
保証を延長するのにどんな工事がいくらかかるの?
たとえばどのような工事がかかるのでしょうか。
10年目 シロアリの薬品(1階面積坪数×1〜2万円程度)
薬品の効果はおおよそ10年程度です。
つまり、10年に1度は必ずシロアリの薬品をまく必要性があります。
4LDKの2階建の家だったら、1階の面積は15〜25坪程度です。
15坪(1階の面積)×2万円=30万円
25坪(1階の面積)×2万円=50万円
高めの坪2万円に設定すると結構な金額がかかります。
タマホームの利益も上乗せされるので、言われた金額を支払わないといけないのが注意が必要です。
10年目 防水工事(ベランダ、フラットルーフ)
ベランダや屋根がフラットだと防水工事が必要です。
紫外線によって劣化している可能性があるので、防水層を塗り直しします。
ベランダは広さによりますが、一般的な4〜8畳程度の広さであれば【10万円前後】かかります。
ベランダには室内からいけますので足場は必要ありません。
フラットルーフ
上の画像のような平な屋根を【フラットルーフ】と言います。
2階の屋根部分が全てフラットルーフになっていますね。
2階屋根面積の全てが防水層を塗り直す必要があります。
さらに、この屋根の防水をやり直す場合は、【足場が必要】になります。
つまり、【フラットルーフの場合は100〜150万円程度】資金が必要になります。
10年目 外壁シーリング打ち直し
外壁材のスキ間のシーリング(防水コーキング)です。
外壁メーカーのkmewから画像をいただきました。
このように、外壁材のスキ間に入れたコーキング材が劣化します。
最近は30年近くノーメンテナンスの商品も出ていますが、コーキングが劣化していた場合はメンテナンスの対象になります。
こちらも高い場所になると足場が必要になります。
手が届く場所であれば、数万円程度。
足場を立てないといけない高所は50万円程度の費用を覚悟しましょう。
20年目 シロアリとベランダ防水と外壁シーリング
20年目の有償工事はシロアリと防水と外壁シーリングです。
それ以外に劣化していた箇所があれば修理対象になります。
給湯器や照明器具や水栓などいろいろなところが壊れてくる時期に突入します。
30年目 外壁や屋根を含む補修工事が必要
この年数まで来るとさすがにいろいろなところに手を加える必要が出てきます。
無機物から作られた外壁材や屋根材にも劣化が始まる時期になるでしょう。
外壁、屋根、シーリング→200万円以上
シロアリ→30万円以上
防水→10万円
これだけでも300万円近くのお金がかかりますね・・・。
タマホームの保証を延長するための注意点
保証を延長するための注意点がありますので、確認していきましょう。
長期優良住宅の認定を取得することが条件
タマホームの60年保証をしてもらうためには、【長期優良住宅の認定を取得すること】が条件となります。
のちほど、商品について説明しますが、【タマホームの主力商品3つのうちの2つは】建物性能が長期優良住宅の認定基準を満たしています。
だから、別途で建物の性能を上げる費用は発生しませんので安心してください。
しかし、この長期優良住宅の認定取得は別途費用(約20万円)になります。
【タマホームの長期優良住宅について】はこちらに詳しく書いてあります。
タマホームの商品の中で【木麗の家】は60年保証対象外で30年までが限界
タマホームの商品は大きくは3つあります。
- 大安心の家
- 大安心の家PREMIUM
- 木麗な家(長期優良住宅 対象外)
このうち、【木麗な家(長期優良住宅 対象外)】は60年保証ではなく、30年までが限度となっております。
この【木麗な家(長期優良住宅 対象外)】は低価格を優先した商品となっているため、建物自体の性能も低いです。
使っている部材が主力商品よりも劣るため、長期保証はできないようになっているということですね。
タマホームが行う有償工事が必要
タマホームの保証になるので、有償工事もタマホームに注文しなければなりません。
とんでもなく、法外な金額ということはありません。
しかし、タマホームの利益が上乗せされた金額になっていることは間違いありません。
この金額が高いからと言って、地元の塗装屋さんなどに頼んでしまうのはいけません。
タマホームに工事を頼まないと保証が継続されなくなってしまいますので注意が必要です。
タマホームで建てた人の口コミ
タマホームの口コミはどうでしょうか?
家が建った後も定期的に連絡をくれます。定期点検はハガキで案内が来るので希望日を返送します。当日もじっくりと点検してくれて好感が持てます。
3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、5年、10年と定期点検があります。
先日5年点検を終え、10年点検の時に有償工事の見積提示があると知らされました。5年後の状況によるそうなので、いくらくらいになるか気になっています。
件数が多いせいか点検は30分程度で済んでしまいます。一緒に点検できればいいのですが、子供がいるので、どこまで見てくれているのか?心配です。
良い評価も悪い評価もそれぞれですね。
担当者のフォローによって満足度が変わる印象です。
タマホーム60年保証のまとめ
60年はトップクラスの長期保証ですが、【トヨタホームの60年保証】とは同じ60年でも全くの別物です。
この違いは、
【トヨタホームの初期保証30年】はほとんどを【自社工場内】で造った住宅
【タマホームの初期保証10年】はほとんどを【市場の部材を使って現場】で造った住宅
この違いが、【トヨタホーム初期保証30年】と【タマホーム初期保証10年】の違いを生み出しています。
欧米と比べても日本の住宅の寿命は短すぎます。
だから、ハウスメーカーも長持ちする家を建てます。
この長期保証は、【建てたオーナーからメンテナンス費用をもらうための仕組み】なのです。
60年長期保証の聞こえはいいですが、10年ごとの点検も有償工事もその費用もすべてハウスメーカーの言いなりになってしまいます。
住宅ローンを支払いながら高額のリフォーム代金を請求されれば保証継続は難しい人がほとんどではないのでしょうか。
保証期間の長さは重要ですが、まずは資料請求から検討することをオススメします。