全館空調って憧れるけどもっと詳しく知りたいな・・・。
今回はこんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 全館空調の特徴を徹底解説
- 全館空調のメリット5選とデメリット3選
- 全館空調がオススメな人とそうでない人がわかる
この記事を書く私は、業界歴16年の現役ハウスメーカー営業ぽりんきです。
全館空調と聞くと夢の空調設備のイメージが強いですよね。
資金に余裕がある人は全館空調を導入することをオススメします。
そこで今回は、全館空調の仕組みやメリットデメリットについて徹底解説していきます。
全館空調とエアコンの違い
そもそも全館空調とエアコンの特徴の違いはどんなところにあるのでしょうか?
まずは整理してみましょう。
エアコンの特徴は下記の通りです。
エアコン
- 部屋ごとリモコンで運転可能
- 最近だとおそうじ機能付き
- 急激に冷やしたり、暖めたりできる
全館空調の特徴は下記の通りです。
全館空調
- 家全体または1階、2階の階層ごとに運転可能
- 暖房、冷房、除湿など基本的な機能しかない
- 急激に温度を変えられない
全館空調は大型のエアコンであることは間違いありません。
しかし、最新のエアコンに装備されているお掃除機能、プラズマクラスター機能はありません。
部屋ごとに設置するわけではないので、あくまで家全体の温度をコントロール仕組みです。
【徹底解説】全館空調の特徴
ここからは、全館空調についてひとつずつ疑問を解消していきます。
全館空調を運転する時期と季節
全館空調は主に、夏と冬のみ運転します。つまり、春と秋は運転を停止させます。
パナソニックホームズの全館空調【エアロハス】のみセーブ運転機能がついているので1年中運転しっぱなしです。
室内のリモコンを使って、運転を開始、停止できますが、タイミングには注意が必要です。
理由は、運転する際にものすごい電気代がかかるから。
例えば、冬が終わり、暖かくなってきたなと思った時に、運転を停止しても、その後、数日の間に気温が下がり、もう一度運転を再開させると電気代がかかります。
再運転するのに、電気代がかかること。すぐには暖かくならないことがデメリットです。
週間天気予報を見ながら運転を停止するタイミングを見計いましょう。
全館空調の電気代
全館空調の電気代は単体で毎月7,000〜15,000円程度です。
- 木造か鉄骨造か
- 建物の大きさ
によって変わってきます。
夏と冬時期は1日中運転しっぱなしになります。
オール電化住宅は、日中の電気代が高いため電気代も高額になります。
共働きなどで日中は不在が多い家庭や、昼間の電気代を抑えたい人は、太陽光発電の設置がオススメです。
太陽光発電を搭載すれば昼間に発電した電気は家の電気に回されるので、高額な日中の電気代を抑えることができます。
電気は買うよりも、売る方が安くなっているので、発電した電気は売電するよりも、家に使った方がお得です。
全館空調の室外機の台数は1台
各部屋に壁付けエアコンを設置するよりも台数が圧倒的に減るので、家の外観がスッキリとします。
また、お隣さんとの距離が近いとエアコンの室外機の風によってトラブルになることがあります。
全館空調のメンテナンスとおそうじと頻度
エアコンと同様にフィルター掃除が必要です。
フィルターは定期的に掃除機でほこりをとる必要があります。
ハウスメーカーの名前 | フィルターお掃除の頻度(推奨期間) |
---|---|
トヨタホーム | 2週間 |
アキュラホーム | 3ヶ月 |
住友林業 | 3ヶ月 |
セキスイハイム | 3ヶ月 |
パナソニックホームズ | 6ヶ月 |
室内リモコンに掃除のタイミングを忘れ防止のお知らせする機能がついています。
とにかく、家の快適空間を作るものなので、まめに掃除が必要です。
全館空調の保証年数
全館空調本体の保証期間は2年〜10年。
ほとんどのハウスメーカーが10年保証です。
初期保証は短いけど、オプション料金を支払えば保証期間を延長できるハウスメーカーもあるので、最長保証を選択しておきましょう。
トラブル回避!?全館空調が壊れたときに備えよう
故障したら大変です。
全館空調はほとんどのハウスメーカーのものが春と秋は運転しません。
つまり、故障していても気がつきません。
故障してから修理が完了するまでの期間は2週間程度かかります。
ハウスメーカーのアフターサービスに連絡して、メーカーの点検員が訪問後の対応となります。
すぐには飛んできてくれない可能性の方が高いので覚悟しましょう。
ルームエアコンなら故障した際に修理するか、買い換えるか選択ができます。
家電量販店で最短で施工も頼めるのがルームエアコンのメリットです。
しかし、全館空調を搭載した家の場合は、修理し続けることになります。
この点は全館空調を搭載するデメリットです。
全館空調のメリット5選
全館空調のメリット5つをピックアップしてみました。
全館空調メリットその1:家中どこに行っても快適温度
このために全館空調を搭載すると言っても過言ではありません。
リビング以外に家中どこに行っても快適な室温が待っています。
全館空調メリットその2:ヒートショック対策ができる
ヒートショックとは、家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞などを引き起こし身体へ悪影響を及ぼすこと。
交通死亡事故の5倍起こるヒートショックの事故。
お風呂で起きることがほとんどです。
寒い脱衣所で着替えをし、熱いお湯に浸かった時にヒートショックにより亡くなる方がたくさんいます。
ヒートショックは、室温の差せいで起きます。
全館空調を導入することで室温差がなくなることはヒートショック対策が十分にできます。
全館空調メリットその3:部屋干しができる
全館空調を導入することで家全体を空気が循環します。
空調を常に行なっているので、空気も乾燥しがちです。
循環と乾燥を上手に利用すれば部屋干しをしてもよく乾きます。
パートに出たら部屋干しだから全館空調は魅力的かも
全館空調メリットその4:風が来ない
エアコン特有の風が直接肌に当たることがありません。
夏場、家に帰ってから、エアコンをつけ、冷房の空気が気持ち悪い人も多いはず。
お肌を気にする女性にとっては、エアコンの空気が直接肌に当たるのは気になるところ。
全館空調メリットその5:運転の機械音が静か
家全体の空調機械だから音がうるさくないかしら
全館空調の機械音は意外と静か。
機械音は30〜40dB程度です。
話し声と同レベルの音なのでうるさくありません。
ただ、夜中に機械室の近くで寝る場合はさすがに音が聞こえます。
機械室を寝室の近くに持ってこないように気をつけて設計してもらいましょう。
全館空調のデメリット3選
全館空調のデメリットを3つ紹介します。
全館空調デメリットその1:初期費用が高い
全館空調は高額です。
ハウスメーカーによって金額はバラバラ。
100〜250万円程度の初期費用。
家全体にダクトを回したり、大型の空調機を入れたり、機械室を用意するための費用がかかるので当然です。
35年の住宅ローンで毎月3,000〜7,000円負担が増えるので、1日に直すと100〜250円程度の投資です。
これを安いと感じるか高いと感じるかは人それぞれですが、100〜250万円の費用があれば床面積を増やしたり、オプションをつけたりもできるので考えどころですね。
全館空調デメリットその2:室内が乾燥しやすい
ずっとエアコンが動いていると乾燥しないか心配
冬場は肌で感じるレベルで乾燥します。
大型の加湿器は必須です。
各部屋の個別エアコンとは違って、家全体に空気が行き渡るので湿度計を家の中に置いて良質な湿度をコントロールしましょう。
全館空調デメリットその3:故障時が心配
機械はいつか壊れます。
全館空調の保証は10年がほとんどですが、15年、20年と使っていくうちにそのときはやってきます。
もちろん、保証が10年だからと言って10年間は壊れないわけではありません。
万が一に備えて、ストーブや扇風機などの家電を常備しておきましょう。
全館空調をオススメしたい人
特徴はわかったけど、どんな人がオススメなの?
全館空調をオススメしたい人
- 寝つきが悪い
- 冬の朝の着替えがしんどい
- 冬の脱衣所やトイレに行きたくない
- エアコンの風が嫌い
- 高齢者がいる家
- リビング階段や吹き抜けで2階と繋がる間取りの家
冷え性であればとってもオススメです。
ご高齢者や乳児がいる家庭なら室温の差がほとんどないのがなおさら良いですね。
全館空調をオススメできない人
反対にオススメしないのはどんな人?
全館空調をオススメできない人
- 毎月の返済がギリギリ
- 毎月の電気代が気になって仕方がない
- 不在時の空調運転がもったいないと思っちゃう人
- 15年後に修理代が用意できない人
全館空調は1日中動いているので、電気代が気になる人にはストレスに感じてしまいます。
全館空調がいいのか?床暖房がいいのか?
全館空調は冬を快適に送る目的で設置する人がほとんどです。
冬の快適設備として床暖房があります。
全館空調と床暖房のどちらを選ぶかは初期費用と仕組みを正しく理解してから判断しましょう。
全館空調のまとめ
住宅の断熱性能は上がっていますが、エアコンだけでは暖房をつけた部屋、冷房をつけた部屋しか室温のコントロールができません。
全館空調を導入すれば、部屋以外の廊下や洗面所も均一の室温にできるのがとても魅力です。
初期費用も電気代もかかりますが、全館空調に勝る快適設備はありません。
各ハウスメーカーごとの全館空調まとめ