かれこれ現役ハウスメーカーの営業を15年続けているぽりんきです!
今回は、「解約する時の違約金について」です。
この記事は、
「家づくりを辞めることになったけど違約金が高額だったらどうしよう」
「営業の対応が悪くて、解約したい」
「別の建築会社に乗り換えしたい」
とお考えの方にぜひ読んでいただきたいと思います。
いろいろな事情はあると思いますが、契約したものを白紙にするためにはキャンセル料金が発生してしまいます。
それでは、いったいいくらくらいかかるのでしょうか?
解約するときにかかる違約金の相場
まずは結論からお答えしていきます。
【違約金はないことがほとんどで、実費精算する】
つまり、それまでにかかった費用を請求されるだけです。
別途キャンセル料金がかかることはほとんどありません。
「実費精算って言われても・・・。だいたいいくらくらい?」
一概には言えませんが、「100万円あればよっぽど大丈夫でしょう」
解約する時点でどこまで打ち合わせが進んでいますか?
実費精算とは、【実際にかかった費用を請求される】ので、打ち合わせの進み具合が重要です。
つまり、進めば進むほど費用がかかっていきます・・・。
ハウスメーカー決定〜設計打ち合わせ前
実費精算額は・・・
- 収入印紙代1万円
- 申し込み金相当額5〜10万円
契約書に貼った印紙代と営業の人件費程度が実費精算費用として発生しています。
実は、解約はこのタイミングが一番多いです。
- 営業マンが裏切った
- 土地が決まらない
- 土地に建物が入らない
- 希望の間取りができなかった
など、様々な理由があります。
「キャンペーンや大幅値引きで契約したけど焦ってしまった」
そのせいで正常な判断ができなかったという人がたくさんいます。
設計打ち合わせ中
実費精算額は・・・
実施設計図面費用(白黒の図面)10〜20万円
次に設計打ち合わせです。
設計士との打ち合わせで、【柱が読み取れる程度の詳細の白黒の図面】が出てきている場合は、実施図面が完成しています。
この図面は、ハウスメーカーが外注している場合がほとんどなので、費用が発生しています。
インテリアコーディネーター打ち合わせ中
実費精算額は・・・
コーディネーター費用5〜10万円
コーディネーターは建物の設計打ち合わせが完了し、内装や外装の打ち合わせをしている状態です。
コーディネーターは外注の場合もあるので、ここでも費用が発生してきます。
建築確認申請完了
実費精算金額は・・・
建築確認申請費用10〜30万円
設計士との打ち合わせが終われば、お客様であるあなたは、
「この図面で役所の許可をとりますがよろしいですか?」
と聞かれているはずです。
建築確認申請とは、市役所などに家を新築する許可をとることです。
たくさんの申請図面を作成してから許可をとりますので、費用が発生します。
建築確認申請は、ハウスメーカーの社内設計士が担当している場合もあれば、外注の場合もあります。
当然、外注の場合のほうが金額が高くなります。
ここまで進んでいるということは家が建てられるところまで打ち合わせを進めている証拠ですから、かなりの金額がかかることは覚悟しておきましょう。
それ以外にかかる実費費用
打ち合わせ以外にも発生している費用がある場合があります。
念のため押さえておきましょう。
現況測量
実費精算費用は・・・
現況測量費用5〜10万円
請負契約を決めた直後に、測量会社を手配して測量をしている場合がほとんどです。
この現況測量とは、【土地を購入するときに行う測量ではありません】
あくまで、ハウスメーカー手配の測量士が現場で高低差や寸法を測ることを言います。
「測量図があっても、土地を購入する場合でも現況測量費用はかかります」
地盤調査完了
実費精算費用は・・・
地盤調査費用5〜10万円
地耐力調査は必ず行います。
建て替える建物がなく、更地の場合は建物の配置計画が決まってしまえば地盤調査を行います。
地耐力調査によって、地盤改良工事の有無も決まってくるので、親切なハウスメーカーは早めにやってくれることが多いです。
たくさんありますが、これらが実費精算費用として発生してきます。
ハウスメーカーを解約する理由はめちゃくちゃ大事
続いて、重要になってくるのは、
【なぜ?解約をすることになってしまったのか?】
この理由です。
理由によっては、実費費用を折半という場合もありますから、自分の中で理由を整理しておきましょう。
完全に自己都合で解約
たいていは自己都合ではないかと思います。
こちらの都合で解約するということは、【100%実費精算を負担する】ことになります。
ハウスメーカーのせいで解約
問題はこちらの場合です。
注文住宅の場合は、
- 担当者との言った言わない
- 重要なことを隠していた
- 感情の問題
- 致命的な人的ミス
見えないものを購入する契約になるため、こういうトラブルもあります。
この場合は、記憶の中で話し合いをするよりも、
明確にハウスメーカー側が悪い理由を提示しなければなりません。
契約自体は【請負契約約款の中身】が重要になってきますので、必ず契約書に添付されている約款の内容も読んでおきましょう。
話し合いで解決することがほとんどだと思いますが、全額負担や折半などの譲歩案が出てくるはずです。
土地が見つからない
土地が無い状態で、キャンペーンなどに飛びつき契約をしてしまうと探してみたはいいけど良い土地が見つからないということがおきます。
【絶対にしてはいけない契約】です。
土地が見つからないから、もしくは予算が合わないせいで解約する場合は、
【土地が決まっていないのに契約をしたハウスメーカー側にも落ち度】があるので、積極的に話し合いをしましょう。
トラブルにならないように
解約するということは、目的の家は完成せずにストップすることになります。
解約は後味が良いものでは決してありません。
なので、このようなトラブルにならないような対策も同時並行でしておきましょう。
契約約款を確認しよう
先ほどから実費精算ということを挙げていますが、ハウスメーカーの契約約款には、
解約する場合は【キャンセル料】や【違約金】がかかる。
という記載があるかもしれません。
この記載があった場合は、先ほどの【実費精算】+【違約金】になるので負担も高額です。
約款はお互いのトラブルに関する解決方法やルールを予め記したものですから、契約する時には必ず確認しましょう。
記録をとっておこう
言った言わない問題を防ぐためには、重要なことは記録をとっておく必要があります。
なにも、自分でメモをとったり、録音する必要はありません。
ハウスメーカーであれば、必ず、
【打ち合わせ記録が存在し、担当者が記入してくれる】
この記録を必ず残してもらうようにしましょう。
やってはいけない請負契約
トラブル回避のためにも、やってはいけない請負契約を2つご紹介します。
土地が未確定で契約するな
さきほども出てきましたが、こちらです。
土地がなければ家は建ちません。
ハウスメーカーの都合によって、土地が未定なのに建物の請負契約をすることはおかしいです。
土地は総額を大きく動かすものになるので、必ず土地が決まってから建物の契約をするようにしましょう。
住宅ローンの仮審査はOKを出しておこう
こちらも契約前にすべきことです。
「住宅ローンは絶対に借りれるから大丈夫」
「ネット銀行だから仮審査なんてないよ」
こういう方も必ず、最寄りの民間金融機関で、
「本当にお金を借りることができるのか?」
書面で事前審査の回答書をもらっておいてください。
建物の契約をした後に、住宅ローンが万が一借入できないとわかった場合は、完全に自己都合での解約になってしまいます。
現役ハウスメーカー営業ぽりんきの視点
私の場合は、解約したことも、他社で解約してきたお客様と契約したことも両方あります。
解約する際にお金がほとんどかからなかったとしても、一生に一度の住宅購入ですから本来は気持ちよく進めたいですよね。
たいていは、営業マンとのトラブルだったりもしますので、キャンペーンがあるからと言って慌てて契約するのではなく、「本当に信用できる担当者なのか?」を見極めるのはお客様側がしなければならないと思います。
信用できるかどうかを見極めるポイントはその営業マンに
「すでに建てた入居者さんの家って見学できますか?」
と聞いてみましょう。
「はい。大丈夫ですよ。」
と言ってくれる営業マンは引き渡しまでしっかり対応したから自信をもって案内してくれるはずです。
その家を見学するかどうかはおいておいて、
【入居者さんとの関係について確認することは強くオススメします】