頭金や自己資金が無いからしっかりと貯金ができるまでは家づくりができないと思っている人がたくさんいます。
しかし、そもそもいくら貯金したらいいのでしょうか?
そして、貯金しなくても家づくりをスタートすることはできないのか?
このあたりを解説していきます!
自己資金が必要な支払い
家づくりは総額では何千万円にもなりますから、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。
世の中にはフルローンという言葉もありますから、『全てのお金をローンでまかなえないかな』と思っている人もいるでしょう。
全てのお金を住宅ローンでまかなうフルローンは選択できますが、それでも、最低限の自己資金から必要な支払いがあります。
これは、シンプルに言えば【住宅ローンを借りる前に必要なお金】です。
手持ち金がなければ支払うことができないお金です。
まずは、どんな項目があって、いくらくらい必要なのかを理解していきましょう。
契約金の支払い
ハウスメーカーでの家づくりでは、大きな契約が2つあります。
- 請負契約・・・ハウスメーカーを決定した時点で行う契約。間取りや設備などは決まっていない時点での契約です。とりあえずは1社に絞ったら契約をします。
- 着工前契約・・・請負契約をした後に、本格的な打ち合わせを進めていきます。全ての図面の打ち合わせが完了し、詳細図面、仕様書が完成したら、着工に向けて契約を行います。
このうち、請負契約で契約金が必要となります。
契約金の目安
どこのハウスメーカーでも一律100万円が目安です。
しかし、この100万円が用意できない人はハウスメーカーに相談になります。
そもそも、契約金ですが、何に使われるお金なのでしょうか?
- 請負契約金額に充当する前金・・・見積書金額以外に必要なお金ではないので安心してください。
- 解約をする場合・・・実費精算され、余ったお金が返ってきます。
【契約に重みを持たせるための身代わり】ですね。
ハウスメーカーが受け取って、何かに使ってしまうわけではありません。
契約となれば当然、いろいろな部署が動き出したり、家づくりに向けて進めていくことになります。
軽はずみで契約されて、あとで『やっぱり家づくりやめることにしました。』となってしまうことを避けたいのです。
【万が一、何かあったときのお金=身代わり】ですから、金額がある程度の額に設定するほうが契約行為の本気度が上がります。
この金額が仮に1万円の場合は、100万円と比べて簡単に解約できてしまいます。
最低契約金額
100万円以下の場合は、ハウスメーカーに相談と言いましたが、どこまで相談できるのでしょうか。
ずばり、ひとつの最低ラインの目安は10万円です。
さすがに、数万円は注文住宅の場合はありえません。
解約した場合の実費用(設計料、確認申請費用、地盤調査費用など)は10万円を超えてくるでしょうから、少額で契約し、打ち合わせをどんどん進めた後に解約してしまうことはお勧めできません。
基本的には、ハウスメーカー側が社内稟議を通して、イレギュラー扱いになります。
ちなみに、大手ハウスメーカーでもセキスイハイムは最低ラインが100万円で、応相談できないと聞いたことがあります。
契約金はハウスメーカー次第ですが、最低10万円〜です。
諸費用の支払い
自己資金が必要な場合は、契約金の次に思い浮かぶのが、諸費用です。
諸費用と言っても建築地やお客様の希望するものによっても変わってきますので、一概には言えません。
住宅に関わる諸費用の内容は一体どんなものがあるのかをまずは整理していきましょう。
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- 登記費用
- 火災保険
- 銀行手数料
このあたりの項目は請負契約金額に含まれません。
- 住宅ローン取り扱い銀行によって、
- 【契約金額までしか借り入れできない。諸費用は自己資金が必要】だったり、
- 【諸費用も借り入れできるが、金利があがる】などがあります。
- 最近は、フルローンでも金利が変わらない銀行が増えてきましたが、銀行によっては諸費用分は自己資金が必要な場合があるので注意しましょう。
諸費用はどんなに安くても登記費用だけで最低30万円かかります。
引越し代
引越し代金はさすがに住宅ローンでは借り入れできません。
一軒家の引越しとなると、10万円以上かかります。
建て替えが必要な場合は引越しが2回になりますので、それだけ必要なお金が増えます。
最低10万円は必要でしょう。
仮住まい
建て替えでアパートなどの仮住まい費用にかかる敷金、礼金、初月の家賃、仲介手数料は住宅ローンでは借り入れできません。
最初に仮住まいに住む際にかかる費用は家賃の4ヶ月分近くかかりますから、かなりの出費になります。
建て替えの計画がある人は仮住まいに必要な費用と引越し代は必須になってきますので、知り合いの家に住める場合以外はお金を貯めておきましょう。
家賃によりますが、毎月7万円の賃貸でも最初に30万円程度必要です。
家具・家電・カーテン・エアコン
新居に合わせて購入する家具・家電・エアコンは当然ながら住宅ローンでは借り入れできません。
自己資金が無いうちは、新居のものは我慢できるものもあるかもしれません。
しかし、カーテンやエアコンは無いと生活が不便になってしまいます。
カーテンとエアコンはピンキリですが、かなりの金額がかかります。
カーテン・エアコンはほとんどの方がハウスメーカーにそのまま注文します。
そうすれば、請負契約に含むことができるので住宅ローンで購入することができます。
家具もハウスメーカーに注文すれば、かなり高額にはなりますが、請負契約に含むことができます。
バリエーションを見れば、モデルハウス展示クラスの数十万円のソファやベッドだらけですが、自己資金を出さなくてもすみます。
ハウスメーカーに出来る限り注文して、自己資金の負担を減らしましょう。
住宅ローンに関わる必要なお金
銀行に支払う、事務手数料や保証料ではなく、住宅ローンを借り入れする場合は考えておかないといけないお金があります。
よく理解しておきましょう。
毎月返済
土地から購入する場合は、土地決済(引き渡し)が完了すると、翌月から支払いがスタートします。
35年ローンで1000万円借り入れするとおおよそ30,000円/月々支払いが必要になります。
つまり、賃貸の住宅に住んでいれば家賃と土地のローンが始まります。
毎月数万円の出費は大きいので、新居に引っ越すまでの間は貯金を使う方が多いです。
自己資金を出す必要はありませんが、土地から購入する際に住宅ローンを借りる人は家賃と支払いが重なる時期があることを理解しておきましょう。
ちなみに、銀行によっては、家賃とのダブル返済の負担を減らすために、建物の住宅ローンがスタートするまで利息のみを負担することも相談できます。
この場合は、毎月あたり、数千円になりますので、毎月の負担を減らすためにはお勧めです。
支払う場合は、
1000万円借入・35年ローン・一般的な金利で約30,000円/月々
2000万円借入だと約60,000円/月々
つなぎ融資費用
建物の工事が始まると、着工金や中間金が必要な場合があります。
これは、ハウスメーカーに支払うお金です。
ハウスメーカーも工事を進めるのにあたって、業者さんへの支払いや材料の発注があるので、工事の途中で請求してくるお金があります。
この中間金などは請負金額の50%など決められているので、数百万〜数千万円にもなります。
当然、住宅ローンを使うことになります。
しかし、銀行によっては建物が完成しないと貸してくれない銀行があります。
では、どうやって中間金などを支払うのか?それが、住宅ローンを前借りできるつなぎ融資です。
これも前借りした分、利息のみ負担することになるので自己資金が必要です。
つなぎ融資の期間は、3〜4ヶ月なので、10〜15万円程度です。
このつなぎ融資の手数料も借入することは可能です。
必要な時期
自己資金が必要な時期はいつでしょうか。
家づくりをスタートした段階では一番かかる必要なお金は契約金になりますので、最低10万円は必要でしょう。
しかし、それ以外のお金は銀行によっては借入できるお金が大半になります。
解体工事が必要で、仮住まいが必要な人は、自己資金がどうしても必要です。
反対に建て替えでは無い人は、契約金さえ用意できれば、家づくりを進めることができます。
自己資金が無しで家づくりをしたい人
最後に、自己資金がなくて家づくりを進めたい人はどうすればよいのでしょうか?
いわゆる、フルローンにするんです。
しかし、契約金は必要ということがわかりました。
つまり、一時的に契約金を支払い、最終的には全額借入=フルローンをすることで、最初に支払った契約金が手元に戻ってくるという仕組みなんです。
契約金が戻ってくるのは、住宅ローンを借入したタイミングです。
引き渡し頃には戻ってくるというイメージでいましょう。
必要な自己資金をしっかり理解して、良いタイミングで家づくりをスタートできるようにしておきましょう。